この夏モンゴルを訪問して

8月最終週にモンゴルを初めて訪れました。

旅の目的はウランバートルにある“Mirai Dental Clinic”を訪問する事と、モンゴルを経験する事です。

成田から約5時間ほどで、チンギスハーン国際空港に到着します。

チンギスハーン国際空港

この空港は日本の総力を挙げて新空港建設を支援したのもで、新空港の運営も、モンゴルの空港事業としては初めて民間企業に委託され、日本企業連合(三菱商事株式会社、成田国際空港株式会社、日本空港ビルデング株式会社、株式会社JALUX)とモンゴル国営企業が出資参画するNew Ulaanbaatar International Airport LCCが、モンゴル政府との間でコンセッション契約を締結しているそうです。(jicaH.P.より)

日本と縁の深い空港ですね。

|ウランバートル中心部〜デンタルクリニック訪問

空港から車で約一時間でウランバートルの中心部に到着します。

中心部に入るにつれ驚いた事は、車の多さと、交通渋滞、その渋滞の中をすり抜けて走らせる運転テクニック(図々しくないと、目的地に着けないのでは?と思われる交通状況)です。

車の殆どは日本車で、あっちを見てもこっちを見てもトヨタのプリウスがいっぱいです。

(逆にモンゴルの人が東京に来ての印象はプリウスが少ない!だったそうです。)

ハイブリッド車が多いのは一番は燃費だそうですが、次に考えられるのがウランバートルでは交通渋滞緩和の為にナンバーの末尾による交通制限があるそうで、例えばガソリン車は月曜日はナンバー末尾奇数の車のみ運転可能といったルールがあるそうで、但しハイブリッド車はこの制限には該当しないとの事ですので、これも要因の一つでしょうか。

モンゴルの人口は400万人程度、そのうち300万人以上がウランバートルに集まっています。

  到着翌日さっそく“Mirai Dental Clinic”の訪問です。

Mirai Dental Clinic
エントランスです
Mirai Dental Clinic Reception
受付のお姉さま方
Mirai Dental Clinic Consultation Room
コンサルテーションルーム
Mirai Dental Clinic Sterilization Room
滅菌室(Sterilization Room)
Mirai Dental Clinic Dirty Area
不潔領域(Dirty Area)
Mirai Dental Clinic Treatment Room
処置室(3台チェアーがありました)

処置室の奥の扉の向こうに手術室が設けられており、右手のドアの向こうは技工室(現在準備中)が設けられていました。

Mirai Dental Clinic Treatment Room2
Mirai Dental Clinic Operation Room
手術室
Mirai Dental Clinic CT Room1
Mirai Dental Clinic CT Room2
CTはVatechが入っていました

清潔領域、不潔領域の別、手術室等の設備から、インプラント治療に対して、基本に忠実に準備されているなーと感心いたしました。

近年日本では歯に対する教育が進み、お母様方の努力で、お子さん達の虫歯が殆どない状態になっていると聞きます。その為歯を失う事が少なくなり、インプラント治療の必要性が徐々に少なくなると言われていますが、モンゴルでは以前の日本と同様で、歯を失う人も多く、経済の発展に伴いインプラント治療を希望する人も増え、これから先数十年間はインプラント治療は最も注目を浴びるだろうと、クリニックのオーナーであるメルゲンさんは語っていました。

現在インプラントの手術は、毎月日本から歯科医師に来てもらって行っているとの事です。

またこのクリニックではデジタル機器の導入も進んでおり、口腔内スキャナーのデータを日本に送り、日本でデザインし、ミリングした補綴物を空輸しているそうです。

今後はクリニック内に準備中の技工室にミリングマシーンや3Dプリンターを設置し、補綴物を院内でデザイン、作製できるようにする予定です。その為の歯科技工士のライセンス取得と並行して、デジタル技工のスキルを修得中だそうです。

この“Mirai Dental Clinic”のようなクリニックはまだモンゴルには数軒しかない状態で、モンゴルの歯科治療をリードするクリニックです。

|Mandal社訪問

さて、クリニック訪問後はMandal社を訪問しました。こちらは、モンゴルの保険会社で、キャピタルマーケットやアセットマネージメント、クレジット等を扱っています。

Ganzorig氏
Ganzorig氏

訪問の目的は創設者であるGanzorig氏がご自身のコレクションを展示している金融博物館を訪問する事です。

そこには、彼がまとめたお金の歴史、集めたコインを含む数々の金融や保険等に関する資料が展示されていて、ご本人が説明をしてくれました。

説明の内容は非常に面白く、興味深く、最後まで楽しく拝見する事が出来ました。

ファイナンスとマネージメントの哲学

彼が執筆したファイナンスとマネージメントの哲学と言う本が博物館内に展示してあったので、彼の説明から興味を覚え入手する方法はあるかと尋ねたところ、なんと、モンゴル語の本をくださいました。

残念ながらモンゴル語は読めないのですが、英訳を送ってくれると言ってくださったので、楽しみにしています。

金庫扉の向こうが博物館です

|チンギスハーン博物館

その後は、TBS系で日曜夜9時放送中のドラマ「VIVANT」でバルカ共和国の首都クーダン(架空)として撮影されている、国会議事堂前のスフバートル広場を歩き、チンギスハーン博物館を見学しました。

スフバートル広場
スフバートル広場

|国立公園テレルジ

翌日はウランバートルから50kmの位置にある国立公園テレルジに向かいました。

目的はゲル(テントの家)に泊まる事、乗馬、たくさんの星空を見る事です。

途中、チンギスハーン像テーマパークに寄り、騎馬像の頭(たてがみ)部分に登りました。

チンギスハーン像
チンギスハーン像
チンギスハーン像 上

テレルジには沢山のゲル宿泊のリゾートがあり、より取り見取りと言う感じです。

私たちの宿泊したリゾートはメルゲンさんが気を使って、最近オープンした新しいリゾートを予約してくれていまして、なんとトイレはウォシュレット付きでした!

もっと自然な感じをイメージしていたので、ちょっとギャップを感じた事は否めませんでしたが、お食事は美味しく皆で楽しく頂きました。

  残念だった事は、当日は満月(スーパームーンな感じで)で、空が明るすぎて、星いっぱいの夜空に遭遇する事はできませんでしたが、代わりに大きなお月様を見る事が出来ました。

|アリヤバル寺院

一晩泊まって翌日は、亀石と山の中腹あるチベット仏教寺院(アリヤバル寺院)を参拝しました。

説明によると、このお寺は他国からの侵略の際にお姫様が身を隠した場所と言う事です。

人里離れた山の上にあるこの場所での暮らしは、さど辛く寂しいものであったでしょう。

なんせ、お寺まで到達するのが大変!最後に108段の石段が待っています。

頑張って登りきると、まずはお寺の周りにあるお経の回転版(マニ車)を回します。真言を唱えながら手で回すと回した回数と同じだけお経や真言を唱えたことと同じ功徳が得られるそうです。後で知ったのですが、回し方に決まりがあり、右回りに回さないとダメらしいです。(良かった右回りだった・・・)

寺院からの眺めは素晴らしく、登って良かったです。(最初は登れる?って感じでしたが、頑張りました。)

108段の石段
マニ車

お寺の中はきらびやかでした。

ダライラマさんの写真がありました。彼がモンゴルに来られた際に訪問されたそうです。

|ボグド・ハーン宮殿博物館

モンゴル最終日は、ウランバートル市内にあるボグド・ハーン宮殿博物館です。

大モンゴル国最後の皇帝ボグド・ハーン8世が亡くなるまで過ごした宮殿です。

チケットを購入して中に入ると、ボランティアの高校生が案内と説明をしてくれました。

とっても流暢な英語です。英語は映画やアニメ等で覚えたそうです。(君は偉い!)

門をくぐって中に入るとそこからは殆ど撮影禁止です。

皇帝が住んでいた冬の宮殿は西洋的な建物で、趣がちょっと違っていました。高校生ガイドの説明によると、この建物に対して中国から仏教国なのにこの建物はなんじゃ!とクレームが来たそうです。その為窓辺にロータス(蓮の花)を飾ってそのクレームに対応したそうです。

A téli palota (The winter palace) - panoramio.jpg
冬の宮殿 Gyula Péter, CC 表示 3.0, リンクによる

ボグト・ハーン8世は2歳の時に皇帝として、たった一人で連れて来られて即位したそうです。

皇后さまとは家庭内別居状態だったようで、子供に恵まれる事なく最後の皇帝となってしまいました。

ラストはウランバートルから少し離れたところにあるゴルフ場併設のシアターで、馬頭琴の演奏や、アクロバティックな踊り、モンゴルダンス、中国雑技団の様な柔軟なダンス(もともとはモンゴルからは始まったもので、中国からモンゴルにある学校に来て、レッスンを受けているそうです)などのモンゴルの民族舞踊を見ました。

モンゴル訪問の感想としては、将来が楽しみな国ということです。

なんと言っても広大な国土と地下資源があり、そのほとんどが未開発なのだから、輸送の問題と気候に対応して、一年を通して一定の生産性を確保できれば押しも押されぬ大国になる可能性を秘めています。

追い風は科学技術の発達で、今後はAIやロボットが人間の代わりに仕事をしてくれる時代になっていくと言われています。人口の少ないモンゴルでも、中国やインドと並ぶ国になれるのではないでしょうか。

Tomoko Moriyama コラム監修

森山 とも子
歯科未来コンサルティング協会代表理事

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